小金井の家

 設計 染谷建築設計事務所
 施工 新大田建築センター事業協同組合

 家並が続く路地の突き当たりにある。道に面してカーポートを取ることで、視界が抜け路地に明るさが増したように感じられる。
敷地の東側はブロック塀、南・西側はアパートや住宅が連なっている。隙間風は来るものの冬には影が落ち、日が差す時間が短くなっていました。
新築では、日常生活スペースと洋室を二階に取り、一階は寝室・書斎・多目的室・水回りとした。多目的室にはミニキッチンがあるので、将来的には階段を上がらなくても生活することが可能です。
隣家や塀から開放され、風が抜け、キッチンには朝から、リビングにも一日中日が入るようになりました。室内の仕上も天井は杉板、壁は珪藻土、床にはカラマツ板を使い、触れて優しい気持の良い室内となっています。
屋根で暖めた外気を家中に取込む空気式ソーラーシステムを採用し、暖房すると同時に換気をしています。太陽が出ない日やそれでも寒い日には、室内空気をお湯で温め暖房します。暖房が要らない時期は屋根の熱気をそのまま捨てて暑さを凌ぐ方策をとっていますが、その時水を温め、お湯に変えて利用しています。少ない費用で、快適な生活を手に入れるひとつの方法です。
多目的室は、気の置けない友人や趣味を同じくする人が集う場所となっています。「住宅も環境の一部である」言われますが、地域のより豊かな繋がりの拠りどころとして活用されています。
 

全景
南側に接する2階建てアパートにも邪魔されず太陽熱を受けられます
2階のリビング
目の前が暗い塀だったのが、日当たりも明るく見晴らしのいい景色が見られます
リビングに続く和室
ダイニングからつづく和室が、落ち着いたくつろぎをもたらしています
個室
2階には個室が続き将来的に若夫婦の寝室としても利用できます
階段ホール
1階から上がってくると、リビングと個室やトイレをつなぐ明るい階段ホールがあります
階段下収納
階段室の下は、思いのほか広い収納となっています 隣室への風の通り道となって、収納の換気でカビ臭くなるのが防止できます
特徴の一つである多目的室 ミニキッチンとトイレがついて、近隣の人たちとの集まりや習い事にも使え、1階には洗面所とお風呂があるので、将来的には寝室とつなげて階段を使わない生活も可能です
前庭
多目的室からは庭にデッキがつながっています 新築前の建物より後退している部分は、日の光も入ってきます

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